第427話 バーベキュー

バーベキューをしにキャンプ場へ集まった




SNS上での知り合いだったので、知り合いの知り合いは、まったく見たことも無い人になる




それでも、オフに来るような人達なので、1時間もすれば慣れてくる




途中で人が増えたり、減ったり、もともと開催はSNSで集めたこともあり、最大数が30人くらいだという事以外は時間は自由だ




事前に会費を集めていたので食い逃げも無い。まあ、ホームレスなんかが混じってくる可能性もあるが、それはそれであとで笑いのネタになるだろう




「なあ、あの人は?」




「ああ? 誰だよ? さあ、俺は知らんが……」




途中で気が付いたのだが、一人だけバーベキューに混じらずに木の陰で休んでいる女性が居た




20代前半くらいで、ほとんど男ばかりの集まりに怖気づいたのだろうか




それでも、女性の参加者は皆無じゃないし、そういう人たちはお互い連絡を取り合ってきているので、1人だけで来るという事も無いだろう。可能性は0じゃないが、それならそれでこっちに来ない理由が無い




「どうしたの? 入りにくい?」




「あ、どうも……。ちょっと興味本位で来ただけなので……」




そう言って女性はスッは離れる




無理に誘ってはあれだろうと俺も戻る




「お前、何で木に向かって話しかけてるんだよ、酔っ払いすぎだろ(笑)」




戻った俺に知り合いが話しかけてくる




「いや、一人でいた女性に話しかけてたんだよ。ああ、別にナンパとかじゃねーぞ?」




「まあ、そう言う事にしておいてやるよ(笑)」




そう言って知り合いはまた他の人と話に行った。そこでさっきの女性を探したが、どこにも居なかった




次の日、SNSでそのバーベキューの話題でもちきりになったが、誰もその女性の話をする人は居なかった




当然、最初に一緒にいた友人は知っているだろうと思ったが




「そんな女性居たか? 見間違えじゃね?」




と記憶にない様子。会費は30人分あるが、その誰もが違うという




俺は気になってもう一度そのバーベキューをした場所へ行ってみた




木の側へ行くと、そこには花が添えられていた




「気になって出てきた……か」




俺はその花に向かって目をつぶり、手を合わせる




その瞬間、ポンと肩が叩かれ、異臭が鼻を突いた


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