第424話 ボイスレコーダー

「ねえお父さん、サンタクロースの正体ってお父さんなの?」




「いいや違うよ。いい子にしているプレゼントを配ってくれるおじいさんがいるんだよ」




「へぇ、そうなんだー」




そう言ったけれど僕は信じていなかった。学校でも、親がプレゼントを置いてくれているという友達がいっぱいいたからだ。サンタクロースを信じている方が少数派だった




そこで、僕は友達からある物を借りてきていた。そして、クリスマス……




「こちらが現場です。昨夜、何者かが住宅に侵入し、小学生の男児を刺し殺し、体の一部を持ち去ったという猟奇的な事件がありました。しかし、どこからも侵入した形跡は無く、警察は捜査を進めています」




現場には、クリスマスツリーに隠すようにボイスレコーダーが置いてあったそうだ。ノイズがひどく、犯人に結び付くような音声は残されていなかった




ただ唯一「プレゼントは……」という言葉だけが残されていた。この家の親が多額の借金をしていた事と何か関係があるのだろうか?

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