第411話 手が
夜な夜な、神社に参拝に訪れる男性が……
「へへっ、今日もいただきやす」
男は、パンパンと手を叩くと、さい銭箱に向かって何かを垂らす
それを引き上げると、その何かにいくらかの硬貨がくっついていた
男は賽銭泥棒だった。それも、同じところを狙わず、近くの神社も狙わないという周到さ
警察も管轄が違う場所へはなかなか巡回するわけにもいかず、手を焼いていた
男が何度か賽銭を取り、最後の1回、それだけやって帰ろうと思った時
賽銭の隙間から白い手がニュッと飛び出して賽銭を掴むと、ひっこんでいった
「うわぁ!」
不意に現れた手に、男は大声を出してしまった。男は慌てて口を押さえる。まさか、賽銭箱の中に誰かが……?
しばらく待っても物音はせず、もう一度手が出てくる様子も無い
男はどうしても気になって、賽銭箱の隙間から中を覗いてみたくなった
木で出来た賽銭箱の木と木の隙間を覗き……
次の日、男は死体で発見された。死因は窒息死。どうやったのか、狭い木と木の間に首を突っ込んで死んでいたそうだ
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