第407話 除夜の鐘

大晦日、除夜の鐘が鳴っている




昔はそれが普通だったが、いつからか「うるさい」「迷惑」という声が多くなり、しばらくは鳴らされる事が無かった




それなのに、今年は鐘をついているらしい




しかし、鳴らす間隔がおかしい。ごーん……ごーん……ではなく、ごん、ごん、ごんと、連続して鳴らしている。時間短縮のためだろうか?




次の日、お寺に何やらパトカーが止まっている




「どうしたんですか?」




昨日の事もあり、やはり苦情でも来たのか……そう思って尋ねた




「いえね、昨日の夜、鐘に頭突きをしていた馬鹿がいたらしくてね。朝、鐘が血だらけになっていたんですよ。しかし、おかしなことに寺に泊まっていた住職は、まったく分からなかったって言うし……」




あれは頭突きで鐘を鳴らしていた音だったのか……




結局、誰が鳴らしていたのか分からないまま、この件は終わったのだが……




それ以来、住職は鐘を鳴らすようになったそうだ




住職は、うわごとのように「首が飛んでくる……首が飛んでくる……」と言っているらしい

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