第406話 宇宙へ

俺は苦労して宇宙飛行士になった




宇宙ステーションに滞在してるが……




「やはり、だめだったか……」




「何がですか? 作業は順調ですよ、それとも何か問題でも発生しましたか?」




「いや、こちらの話だ……」




「そうですか。何かあれば、なんでもおっしゃってください」




他国の人にも心配されたが、これは俺の問題だ




実は俺は昔、恋人を殺した。いや、正確には見殺しにしたというべきか……




具合の悪い彼女を病院へ連れて行くより、宇宙飛行士の試験を優先したのだから……




試験から帰ると、彼女はベッドの中で冷たくなっていた。運の悪いことに、家には固定電話は無いうえに携帯の充電が切れていたらしく、誰にも連絡が取れないまま体調が急変したらしい……




司法解剖の結果は病死だったが、俺が殺したも同然だ……




実際、宇宙まで俺の背後霊として着いてきている




幽霊は宇宙空間でも存在できるのか………その答えは、宇宙船の外を浮遊している彼女が証明している。他の人にも彼女が見えれば……の話だが

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