第400話 事故車
「ここに2台の車がある」
「……なんで2台も車を買ってるんだよ、一人暮らしの癖に」
「まあ、最後まで話を聞け。この2台とも事故車で、死亡事故を起こしていたため格安だったんだ。さらにいうなら、買ったやつがことごとく事故に遭っている」
「だめじゃねーか! んな危険なもの買ってくるなよ」
「だから慌てるなって。この2台、事故の起こし方が違うんだ。このスポーツカータイプの車は、アクセル全開になるらしいし、こっちのセダンタイプの車は急ブレーキを踏んで追突事故を起こすらしい」
「それがどうしたんだ? 結局事故る事にはかわりねーじゃん」
「俺は考えた。幽霊が居ると仮定して、それはどこに憑くのか? 俺はなんとなくスポーツカーのアクセルをセダンのアクセルと入れ替えてみたんだ」
「……で?」
「するとどうだ、セダンのアクセルが踏みっぱなしになるが同時にブレーキも踏みっぱなしになるではないか。これで、スポーツカーのアクセルがベタ踏みになることは無いはずだ! じゃあな、俺はちょっとドライブに行ってくるわ」
友達はそう言ってスポーツカーでドライブをしに行った。しかし、結果的には友人は事故を起こした
電信柱にぶつかる単独事故だったらしい。幸い、本人は怪我をしたものの死んではいない
「どうしたんだ? 結局幽霊が戻ってきたとかか?」
「違う。ブレーキが利かなかったんだ……幽霊は2匹いた。ただそれだけのことだ」
……その後、友人はアクセルとブレーキを入れ替え、セダンに乗っている
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