第399話 民泊

こんにちは、山内花林です。




ある民宿に泊まった時の事です




県外の大型テーマパークに数日間行く予定だったため、ホテル代をケチり……いえ、抑えようとしたらしいのです




その民宿は、部屋の中にはトイレも風呂も無い代わりに安いという事でした




行ってみると、思っていたよりも快適そうで、以前泊った事のあるビジネスホテルよりも、よほど快適そうでした




リビングの様な部屋に……というか、元リビングだったのでしょうけど、そこに鍵のつくドアを付けたような感じです




何部屋もあり、私たちの家族以外も泊っているみたいでした




1日目に、余計な荷物を置いて出かけようとしたとき




カタンッ




と、ドアを閉める様な音がしました。見ると、その部屋は横にスライドさせるタイプのドアのようでした




音がしたから見ただけで、特に何も思いませんでした




その日は、乗り物に乗るよりもパレードを見る事に時間を使ったため、思ったより帰ってくるのが遅くなりました




部屋にトイレが無いので、私はトイレに一人で寄り、部屋に戻ろうとした時




カタンッ




とまたドアの閉まる音がしました。2度もあるなんて……偶然かな?




まさか、私が通るのを見ていたわけじゃないだろうし……そう思いながら部屋に戻り、寝ました




次の日の朝、今日は朝からテーマパークへ向かうという事で、出かける準備をして、部屋を出ました




今日は、昨日のドアを見ながら横を通り過ぎました。ドアはきちんとしまっていました




カタンッ




私はバッと振り返り、ドアを見ました。当然、さっき見た通り閉まっていましたが、開けてから閉めたにしては時間がおかしいし、何のために開け閉めしたのか……私はブルッと身震いすると、家族の元へと急ぎました




その日は乗り物を中心に乗るつもりだったのですが、とてもそんな気になりませんでした




そう思いつつも、屋内の、スピードが速くない乗り物に乗る事になりました




一番後ろの席に座り、さあ、出発というところで




カタンッ




と後ろから音がしました

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