第389話 砂

友達が中古物件を買ったというので、引っ越しの手伝いに行った




中古と言う割には、リフォームされており新築同様に見えた




さっそく、冷蔵庫や洗濯機など一人で運べない物を2人で運ぶ




スリッパをはいて運んでいたのだが、脱衣所に着いた時にジャリッという音がした




みると、小さな砂が数粒床に落ちていた。買ったばかりの家だから、しっかりと靴下を新品にしたはずなんだが……




もともと落ちていたのかもしれないが、友達が気づく前にサッとタオルで拭きとっておいた




引っ越しそばだということで、引っ越し終わりに飯を作ってくれた




ガスがまだ通っていないので持ってきたガスコンロだ。幸い、水道と電気は繋がっているので、電気ポットは使えるが、とりあえずガスコンロで作るらしい




作る間ひまだし、とりあえずトイレに行くことにした。トイレのスリッパにはきかえ、便器の前に立つと、またジャリッと音がした




みると、トイレにも小さな砂が落ちている……いや、よく見たらこれは砂ではなく塩のようだ




じっとトイレの壁を見ると、何か長方形の物が長く貼られていて、それをごまかすように塗りなおしたような跡が、よーくみると分かるくらいにあった




嫌な予感がして、脱衣所の方も確認したが、そこにあったテーブルの下にやはり何かをはがしたような跡が




俺は、遠くないうちにもう一度引っ越しの手伝いをする……そんな予感がした

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