第382話 橋が

知らないキャンプ場へ行った時の事




友人が悪ふざけで道も無いような山へ入っていった




そこは、昔の集落があったようで、集落につながる古びた橋がかけてあった




「おい、あそこの家に行ってみるか? こんだけ古いなら、もう誰も住んでいないだろうけど、何かお宝があるかもしれないぞ」




当然、そいつ以外は賛成する者が居なかったが、そいつを置いて帰るわけにもいかない




古い橋をゆっくりと渡っていると、向こう側から人影が近づいてくるのが見えた




「え? まだ集落に人が居たのか?」




そう思って立ち止まって確認するが、いつまでたってもその人物は靄がかかったようにはっきりと見えない




まるでモザイクの様な人物は、俺達に向かって橋を渡ってきた




「うわっ、か、帰ろう!」




慌てて俺達が橋を戻るのと同時に、古びた橋が崩れた




それを呆然と見ていた俺達は、向こう岸にモザイクの人影が村へ戻っていくのが見えた




あれは、俺達を助けてくれたのか、それとも集落に近寄らせないようにしているのか……橋が落ちた今となっては確認するすべもない

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