第374話 偏頭痛

「うーん、偏頭痛かなー」




「どうしたんだ?」




私は書類を机でトントンと揃えながら、部下に尋ねた




「最近、頭が痛いんですよ。仕事の疲れっすかね?」




「そう言っていつもサテンでサボっているのは知っているんだぞ。まあ、お前の場合はノルマはきちんと達成しているから、ストレス発散として見逃しているんだが」




「あっ、知ってたんですね。でも、落ち着いて考えている方が捗るのでこれからも見逃してください」




「それはお前のノルマ達成次第だな。まあ、今のところ心配はしていないが」




書類を片付け、話を切り上げる。しかし、部下は頭をトントンと叩きながら帰っていった




「何か、最近変な音がしないですか? 何かこう、肉団子でも握ってるような」




「聞こえないが? それも頭痛のせいか?」




「うーん、あの日以来、段々と調子が悪くなっていくばかりですわ」




実際彼は、この数日仕事に集中できていないようで契約も全く取れていないようだ




「その日と言うのは?」




「部屋で寝てた時に、耳元でなにかカサカサと音がしていたんですよ。それからなんか頭が重い気がして」




「一回病院で診てもらったらどうだ? 健康診断まだ受けて無いだろ? 仕事に集中するためにも今から行ってこい」




「そうします」




そして、彼は入院した。頭の中に、ゴキブリが入っていたそうで、もう少し遅かったら脳がどうなっていたか分からなかったそうだ




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