第369話 お供え

子供が良く仏壇の前で遊ぶようになった




私の両親は他界し、夫婦共に働いている上、一人っ子なので息子はよく近所に遊びに行っていた




しかし、最近は家でよく遊ぶようになった




何で遊ぶかというと、粘土で食べ物をよく作るようになったのだ




へんてこな野菜や、肉や、キノコなど様々だが、なぜかそれを仏壇に供えている




「仏壇は遊ぶ場所じゃないぞ」




「じいちゃんがね、たべたいんだって」




「そうか。それなら、本物を飾らないとな」




私はご飯を供え、手を合わせる




「ばあちゃんがね、たまにはさかなをたべたいんだって」




そう言って青い粘土で魚を作って供える息子




それが、実際に見えているのか、遊びの一環なのかは私には分からない

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