第358話 虫眼鏡で

天気が良かったので久しぶりに公園へ散歩しに行った




どこの子かはしらないが、小学校低学年くらいの女の子が一人だけ居た




あたりに親は見当たらない。この近所なのだろうか?




女の子は、虫眼鏡で地面を見ていた




公園のベンチに座り、青空を見上げる。それだけでストレスが減っていくようだ




10分くらいぼーっとしていただろうか、視線を下に向けると、女の子まだ虫眼鏡で地面を見ている




いや、よく見たら、虫眼鏡を見ていない?




あたりを見渡し、誰も居ないことを確認する。もし、誰か居たら不審者に見られるかもしれないからだ




「何をしているの?」




普通であれば声はかけないのだが、何をしているのか気になった




「……してるの」




「何だって?」




「アリを焼き殺しているの」




見ると、地面に居るアリに向かって虫眼鏡の焦点を合わせて焼いているようだ




せっかくストレスが減ったと思ったのに、嫌な気持ちが増えてしまった




その後、アリの怨みかは知らないが、その公園の近くの家でボヤが発生したらしい




ただ、全く火の気がない場所からの出火だったので、放火が疑われたが、近くの防犯カメラには人は誰も映っていなかったらしい


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