第357話 黒いスカート

小学校の友達と3人で公園で遊んでいると、いつの間にか近くにこの辺で見かけない女の子が居た




「おい、お前。ここは俺達の遊び場だぞ」




その子は黒髪の毛が長くつややかで、綺麗な子だった。上は白のブラウスの様なものを着て、黒いスカートを履いている。身長は俺達よりも低いので、小学校低学年だろう




「たまたま寄っただけよ。いいでしょ? 見るくらい」




女の子は生意気にも俺達に気後れすることなくしゃべってきた。そのあまりの堂々とした態度に、俺達の方が気後れする




「ま、まあ、見てるだけならいいけどな」




俺達は引き続きボールをけったりして遊んでいた




しかし、見られていると気になるもので、ベンチに腰掛けた女の子をチラチラと見る




「仲間に入れてやってもいいぞ」




友達の一人が、女の子の綺麗さに惹かれたのか、勝手に仲間に入れようとした。まあ、別に反対する理由も無いけどな




「本当? 私、友達居ないからうれしい」




そう言ってベンチから立った女の子のスカートのが、ほつれているのに気が付いた




「おい、糸くずが……これ、髪?」




よく見ると、女の子のスカートは糸ではなくて髪の毛で編んであった。これだけの毛髪を集めるのも大変だと思うが、それよりも気持ちがわるい




「や、やっぱり遊ぶのやめた。俺帰るわ!」




俺は慌てて逃げるようにして帰った。次の日、最初に女の子に声を掛けた友達が学校に来ることは無かった。公園には、その友達と同じくらいの長さの髪の毛が大量に落ちていただけだった

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