第359話 洗濯機

リサイクルショップで新品同然の洗濯機を見つけた




ただ、今はやりの斜めドラムではなく、縦型だった




ちょうど卒業シーズンでもあり、一人暮らしの学生が、アパートかマンションかを引き払った時に売ったのだろうと勝手に想像した




後日、配達してもらった洗濯機を脱衣所に設置した




それからしばらくして、洗濯機から異音がするようになった




夜は音がしないのだが、休日の3時ごろに洗濯した時だけ、何か重いような音がするのだ




ためしに、量を減らしても変わらなかった




それから、休日に選択するのを止めて平日、仕事から帰ってきてすぐに洗濯するようにした。といっても、数日分のシャツや靴下を洗うくらいだからすぐ終わる




残業で遅くなった。そして、替えのYシャツも少なくなっていたため、とりあえず洗濯することにした




そのまま風呂に入る。風呂から上がる頃には洗濯が終わっているだろうと、頭を洗っていた時の事だった




ウィーン、ウィーン、と急に洗濯機が重そうな音を立て始めたのだ。最近無かったので、やはりなにか調子が悪いのだろうか? そう思っていたら、ふたが開いた音がした。機械が動いている間は、ロックが掛かって開かないようになっているはずだ。やはり故障か……




中古をかったことを後悔しながら風呂から上がり、体を拭く。洗濯機は既にとまっていたが、ふたは閉まっている。あれは一体何の音だったんだろう? と、パジャマに着替えて洗濯機のふたを開けると、こちらを見上げる5歳くらいの男の子が見えた




「うわっ!」




俺は尻もちをついて洗濯機を見上げる。洗濯機から這い出てきたらどうしよう……




しかし、いつまでたっても出てくる様子はない。再び洗濯機の中を覗くと、やはり男の子が入っている




「お前、洗濯機の中で死んだのか?」




見た目が綺麗だったこともあり、驚きはしたがそれほど恐怖は感じなかった。男の子は、こくりと頷く




次の日、おはらいをしてもらった。それ以来、洗濯機の調子はいい

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