第308話 天井から縄が

授業中、急に体調が悪くなって保健室へ向かった




うちの中学の保健室は、救急車が来たときにすぐに運び出せるようにしているのか、玄関の真正面にある




教室が3階なので、体調が悪いときに保健室へ向かうのも大変だ




「ふぅ、やっと着いた。すいませーん」




ガラッと戸を開けて中へ入ると、誰も居なかった




「ちぇっ、先生も居ないのか。まあいいや、とりあえず寝るか」




保健室には、周りをカーテンに囲まれたベッドが一つある




カーテンをバッと開けたとき、あり得ない物が目に入った




「えっ……? 縄?」




天井の蛍光灯からぶら下がっている縄。何でこんなところにあるんだ?




俺はそれを無視して寝ようと思った




「何してるの!?」




いつの間にか保健室の先生が来ていたのか。そんなに大声を出さなくても、単に体調が悪くて寝ようとしてただけだって




「あええ……え?」




俺は気が付くと、さっき天井からぶら下がっていた縄を輪にして首にかけていた




保健室の先生が慌てて俺に抱き着き、何とか縄を首からはずす




「何で自殺なんてするの!」




「ち、違います! 気がついたら……」




俺は怒っている先生に、経緯を話す




「そう……わかったわ」




先生は梯子を持ってきて縄を外すとどこかへ持っていった




俺は本当に体調が悪く、起きているのも辛くなったので寝ることにした




それからどれくらいの時間が経ったのか分からないが、掃除の時間になったようだ




「きゃあー! せ、先生!」




女子トイレから、先生が首をつっていると叫ぶ声が聞こえた

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