第296話 先輩と新人

「あら、あなた新人? 珍しいわね」




「あ、先輩……ですか? 私はついさっきここに来ました」




「最近はめっきりここに来る子も減って暇してたのよ」




「そうなんですか。私も……というか、私達も最初は来るつもりが無かったのですが、何かひかれて……」




「よくあるわよ。特に夏はね、遠くからも人が来るようになるわ」




「別に肝試しに来るつもりは無かったんですけどね。それに、友達はここに来ていないみたいだし」




「その辺には居なかったの?」




「居れば騒がしい子だからすぐわかると思うのですが」




「そう……。まあ、ここには他にも何人かいるし、そのうち紹介するわ」




「? 今紹介してくれないんですか?」




「見てみなさい、肝試しに来たグループがいるから、そっちを脅かすのが先ね」

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