第295話 卵が

森の中で卵を拾った




大きさは鶏の卵くらいで少し黄ばんでいる




木の近くに落ちてはいたが、上を見ても巣らしきものはなく、季節も冬が近いため枯れ葉が目立つ




割れてはいなかったので、ちょっと持ち帰ってみることにした




テーブルの上で回すと、ゆっくりと回るのでゆで卵ではないようだ




有精卵か無精卵か分からないが、温めてみようか? どんな鳥が生まれるか楽しみだ







卵がかえった。しかし、それは鳥の卵ではなくヘビの卵だったようだ




茶色い体に、目は無く、舌をちょろちょろ出している




正直、爬虫類は苦手だったのでそのまま逃がすことにした




後日、爬虫類好きの友人に聞いたところ、そんな蛇は見たことない。ツチノコか? と言っていた




俺はそれがたとえツチノコであったとしても逃がしたことに後悔はしていない




あの蛇、逃げる間際にニヤリと気持ち悪く笑ったからな

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