第282話 電話ボックス

「ねぇ、知ってる? あそこの電話ボックスに出るらしいよ」




「出るって何が?」




「出るって言ったら幽霊に決まっているじゃない」




地方の広い公園の一角に、いまだに電話ボックスが置いてある




電話ボックスには10円、100円、テレフォンカードのどれかしか使えない




緊急用のボタンはあるが、それは普段使わないので除く




「テレフォンカードである番号をかけると、一旦通じた後にすぐ切れて、折り返し電話がかかってくるの」




「それって……検査用の番号をかけるとかじゃなく?」




「違うよ。成功したら、テレフォンカードが出てこないらしいよ。そして、折り返しの電話の指定された場所に行くと、そこにテレフォンカードが落ちているらしいの」




「それのどこが幽霊?」




「……ついてくるの」




「何が?」




「ずっと、足跡が私の後ろに着いてきてるの」


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