第277話 落石注意

落石注意の看板があった




ふと嫌な予感がして車を停める




それを、追い抜いていくスポーツカー




その瞬間、落石がスポーツカーを押しつぶした




ドゴンと地面が揺れる程の振動と、土煙が起きた




「大丈夫か!」




無駄と分かっていてもそう叫ばずにはいられなく、土煙が晴れる前に近づく




すると、さっきよりは小さいが十分に人一人くらいあっさりと潰しそうな岩が落ちてきた




携帯を取り出すと、電波障害なのかもともと電波が届かない所なのかアンテナが立っていない




「くそっ、どこか近くに公衆電話は無いか」




今の時代、電話ボックスなんて見ることなどほとんどなく、ここまでに来る道には無かったはずだ




そうしているうちに土煙が晴れ、潰れた車が見え……ない




「あれ?」




俺は落石に気をつけつつ近づくが、岩の下敷きになったと思われる車は見えなかった




「運よく落石前に通り過ぎたのか? 完全につぶれたと思ったんだが……」




俺は狐につままれたような気分で車に戻り、再び道の先を見ると、岩が無かった




その代わり、誰が供えたのか分からないが花が添えてあるのが見えた

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