第258話 もちがのどに

もちをのどに詰まらせた




どうでもいいことを考えていたのが悪かったのだろうか




もちが膨らんでいる部分を見ていた時




「なんか顔に見えるな」




と思っていたが、それを食ったらのどに詰まった




救急車や近所の人を呼ぼうと思ったが声は出ないし、そろそろ息がヤバイ




もうだめかと思った時、背中を「ドン」と強く叩かれた




「げほっ、げほっ」




運よく、その衝撃でもちを吐き出すことに成功した




年でもないのにまさかもちで死にかけるとは思わなかった




「ありがとう、助かったよ」




そう振り返ろうと思った時、俺って一人暮らしだよな? と気づいた




「すみませーん、取ってもらえますか?」




と、外から声がかかった




なんだ、たまたまボールでもぶつかっただけかと思い、振り返ると、ニタリとした生首が落ちていた




「早くとってもらえませんか?」




見ると、首なしの体がそう言ってきた




俺は「顔がこっちにあるのに声はそっちが出すのかよ」と思って気絶した

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