第249話 中古車

いい車を見つけた




スポーツカータイプで、今は製造されていない




本来ならプレミアム価格がついて、販売額よりも高いはずだが、ひっそりとした中古車店に安く置いてあるのを見つけたのだ




店に入ると、外国人風の店主が出てきた




「この車、何でこんなに安いの? 事故車?」




「事故無いよ、私だから安いよ」




微妙に日本語がおかしい店主に、怪しさが抜群だ




「ちょっと見せてもらっていい?」




「いいよ、いいよ」




まず、車の周りをまわって見る。傷は無いようだし、塗りなおしておかしい所はないな。次に、内装を見る。これも、特に部品を入れ替えたとか、血痕があるとかは無いな。次に、エンジンを見る。微妙にエンジンを入れ替えたような跡があるが、まあ製造されていない車にはよくある事だ




俺は店主と価格交渉をしようと思い、顔をあげる




すると、足元でヒヤリとした感覚があった




下を見ると、車の下から真っ白な右手が俺の足を掴んでいる




そして、徐々に左手がでてきて……髪の毛が……




そこで俺はダッシュで店を出た




事故ってなくても幽霊が憑く事ってあるんだな……


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