第217話 FAXで

昔の事です




私が以前勤めていた会社は、お客さんから注文を受け、それを別会社に発注し、その会社から品物が届いたらお客さんに発送するというのを仕事としていました




その時のFAXはロール紙というものを使っていて、FAXが終わったときに自動で紙が切れるため、長さがいろいろとあって扱いにくかったものです




その会社はすでに潰れてしまったのですが、その原因になる出来事がありました




後々分かった事ですが、当時の会計を担当していた職員が、発注数と発送数を誤魔化して、その差額を着服していたようです




不正会計にはうすうす気が付いていた上司が居たようで、密かに聞き込みをしていたそうですが、犯人には見当がついていなかったようで、会計をしていた人にも聞いてしまったようです




会計をしていた人は、事件がバレないようにある計画を実行したそうです




FAXは24時間受信するため、紙の補充や、すぐに発注できるようにかならず1名泊る人が居たそうです




会計をしていた人は、その日泊まる予定だった人をだまして、代わりに上司が泊まるようにしかけました




詳しくは分かりませんが、会計をしていた人は、FAXの紙が落ちる場所にリンか何かの自然発火する物を仕掛けていたそうです




そして、ひたすら燃えるようにFAXを送り続けたそうです




結局、自然発火した場所に紙がどんどん補充され、会社は燃えたそうです




当然、上司もその火に巻き込まれて亡くなってしまいました




上司が亡くなってから49日目、警察に一通のFAXが届いたそうです




それは、会計の人の犯行を示す証拠だったそうで、それを知るのは犯人か、実際にその場に居た人だけだという事でした

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