第204話 ふくしゅう
父は死んだはずだった
3年前、私の家は放火に遭った
犯人は父の会社の同僚で、父の部長内定を妬んでの犯行だった
私は大学受験のために県外に行っていたため、火災から逃れられた
家には父と母の二人だけが住んでいたが、性別不明の遺体が1つ見つかっただけだった
私はそれは父だと思っていた
遺体の発見場所が父の書斎だったからだ
しかし、裁判中の犯人が刺殺されたとニュースで知った
精神鑑定がどうとか、もめていてなかなか判決が下りていなかったのだが、被告人が死んで結構大きなニュースになったようだ
防犯カメラに映った犯人は、全身が包帯に巻かれていて、男とも女とも分からない
しかし、私にはそれが父だと分かる
私の口座に父の口座から送金があったからだ
それからしばらくして、父が見つかったと警察から連絡があった
父は、同僚の家で焼死体で発見されたのだ。ただ、なぜ火も無いのに焼死体だったのかはわからずじまいだ
私は両親の墓参りに来ている。ふくしゅうがおわったからだ
すると、何かが焼けた匂いがした気がした
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