第183話 髪の毛が

最近感じた違和感は、口を開いてもいないのに口にいつの間にか髪の毛が入っている事だった





「どこで入ったんだ?」





ペッと舌を出して髪の毛を見る





「俺の……にしては長いか? それに細い?」





俺は床屋に行ったばっかりだったので、髪の長さには少し違和感を覚えた





それでも、自分の髪以外に入ることは無いだろうと思い、それ以上は考えなかった





次の日の朝、口の中が変な感じがして目が覚めた





「まさか、虫でも入ったか?」





そう思って洗面所でペッと口の中身を吐くと、髪の毛が丸まった物だった





「なんだ、これ」





俺は口の中でそんなものが丸まるとは思えなかったので、その髪の固まりをほどいた





すると、1本の髪の毛だった





「3mくらいあるんじゃないか……」





とても人間の物とは思えない





ふと、視線を感じてクローゼットを見るのと、パタンとクローゼットが閉じるのが同時だった





俺は動けなくなってクローゼットを見ていたが、何の音もしない





俺はクローゼットの取っ手にひもを括り付けてゆっくりと引いていく





あけると、何も居なかったが、クローゼットの床に髪の毛が数本散らばっていた





クローゼットはリサイクルショップで買ったもので、もしかしたら前の持ち主に何かがあったのかもしれない

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