第182話 歩きたばこ

タバコが嫌いな人っていますよね?




臭いが、ではなく、タバコ自体が嫌いな人




最近は街中でタバコを吸う人は減ってきましたが、昔は結構歩きたばこをする人が多かったです




70代くらいの老人が、朝道路の掃除をしていました




その老人の行為をあざ笑うかのように40代くらいのおじさんが咥えていたタバコを老人の前に吐き出しました




「ついでに掃除しといてくれや」




そこで老人がタバコを掃除すれば話は終了で、老人はタバコを軍手をした手で拾うと缶の中に入れました。缶はただの空き缶です




私はその行為に少し違和感を覚えたので隠れて老人を見ることにしました




すると、老人はさっきのおじさんをつけ始めました




おじさんはここから2キロほど離れた所が家だったらしく、平屋の家に入っていきました。家は木造の古い家です




老人は周りをきょろきょろと見まわしました。私は見つからないように茂みに隠れています




すると、老人はペットボトルを取り出すと、おじさんの車庫にボトボトと中身を流し始めました




液体は少しオレンジがかっていました




そして、さっきの缶から拾ったタバコを缶を逆さにして取り出すと、ライターで火をつけ始めました




さらに、その少し火が付いたタバコを液体に投げました




そのとたんに火の手があがりました。老人は年に見えない俊敏さで走って逃げていきました




私は一気に燃え上がった火を見て、消防に電話をかけつつおじさんの家のチャイムを鳴らしました




幸い、おじさんが即座に消火器を持ってきて沈火しましたが、私が見ていなかったら危ないところでした




その後、老人は放火の罪で捕まったそうですが、ここから5km以内でよく火事が起きていたらしいので余罪がありそうです

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