第135話 ダウジング

ダウジングって知っていますか?





L字に曲がった棒を両手に一つずつ持って軽く握り、目的の物が近づくと開いていくというものです





下水管の場所を調べたり、宝探しに使ったり、いろんなところで活躍するそうです





Aが、裏山で宝探しをしようと急に言い出しました





なんでも、古い蔵をあさっていたら、山の中腹に赤い丸が書いてある地図が出てきたそうです





何の地図か分かりませんが、Aは宝の地図だと疑っていないようです





Aの家に蔵があるように、昔は結構もうけた商家だったのでしょう





「どうやって探すんだ?」





「これさ!」





Aが見せてくれたのは、ダウジング棒でした





「そんなのでわかるのか? 金属探知機とかのほうがいいんじゃないか?」





「そんなのどうやって借りるんだよ」





俺も借り方は知らないし、地図が本物かも分からないので、安くあがるダウジングでやることにした





山の近くまでは道がありましたが、問題の場所へは獣道の様な道しかありません





Aは一輪車にスコップを2つのせ、俺は地図を見ながら進んでいた





「この辺じゃないか?」





俺は目印っぽい木を見つけたので、Aに言った





「じゃあ、こいつの出番だな」





Aはダウジング棒を軽く握りながら、その辺のうろうろした





すると、ある1点で棒が開く場所があった





「マジで宝か?」





Aは期待を込めてスコップで掘り始める





1m掘ったあたりで、カツンと固いものにぶつかる音がした





「なんだこれ?」





それは、白い棒だった





「・・・それ、骨じゃないか?」





俺がそう言うと、「うわぁ!」と白い棒を放り投げた





警察に電話し、掘り進められると、女性の物らしいネックレスをした人骨が見つかった





完全に白骨化しており、死後数十年以上たっていたそうなので、俺達に殺人の疑いがかかる事も無かった





あの地図を作った人が殺したのだろうか? しかも、Aの家族で行方不明者は居ないらしい

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