第129話 湖に

湖に遺体を捨てた





付き合っていた彼女との別れ話にカっとして首を絞めて殺してしまった





近くにあったボートに乗って、湖の真ん中へ行く





真ん中へ行ったのは、なんとなく一番見つかりにくいのでは無いかと思ったからだ





オールで漕いでいる間に彼女の顔が見えるが、苦しい表情が見ていられない





湖の真ん中へ着いたので、彼女を持ち上げて湖へ入れた





思ったより大きなドボンという音に、誰かに気づかれないかとドキドキしたが、夕方だったため人は居なかった





浮かぶかと思ったけれど、思ったよりも普通に沈んだ





俺はアリバイ工作を友達に頼み、家に帰った





数日後、ニュースになっていない所を見るとまだ見つかっていないのだろうが、ちょっと心配になった俺は湖に見に行ってしまった





湖に近づくと、気のせいかもしれないが、血の匂いがする





そして、近くに彼女のバッグが浮いているのに気が付いた





「バッグって浮くんだな」俺はどうでもいい感想と共に、バッグに手を伸ばした





すると、水中から皮膚が緑色に変色した手がでると、俺の手首を掴んだ





「うわぁ!」俺は慌てて手を引っ込めると、手は沈んでいった





手首に、ぬるりとした感触がした





そして、近くで張っていた警官に掴まった





俺は逮捕されてよかったと思う





友達が、「お前の家になんか濡れた跡があったぞ」と聞いたからだ

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