第109話 死神

俺はがんで入院している。余命は3年ほどだ




「こんばんわ」




入院している病室に、喪服を着た可愛い女性がいつの間にか立っていた




「・・・君は?」




「私は死神です」




俺はそのセリフを冗談として受けることは無かった




「俺は、死ぬのか?」




まだ余命はあるが、あくまで予想であって確定ではない




「それは、これから決まります」




「どういうことだ?」




俺が尋ねると、死神はポケットからボタンを取り出した




「これを押してください」




「これは?」




「押すと死ぬボタンです」




「これで、俺は死ぬのか・・・」




俺は、未練もあったが、死神が現れた以上、死ぬのだろう。俺はボタンを押した




「・・・あれ? 俺は死んだのか?」




「いいえ、あなたは今日を生き延びました。このボタンでの死亡確率は0.1%です。また、明日来ます」




そう言うと、死神は消えた




俺は未練無く、結局3年ほど生きた

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る