第103話 忘れ物
これは、学校へ忘れ物を取りに行った時の話です
学校からの帰り道、明日から夏休みだと言うのに、ノートを忘れたことを思いだしました
昨日、友達に貸したので、友達の机の中にあるはずです。その子は今日休んでいたため、気づくのが遅くなりました
一緒に帰っていた友達に「一緒に学校に来てくれない?」と聞くと「いいよ」と答えてくれたので、一緒に学校へ行きました
玄関に着くと、丁度先生がいたので、理由を話して教室へ行きますと伝えました
ノートは、隣のクラスにあるのですが、誰も居ない隣のクラスは、いつもと違う感じがしました
窓際にあるメダカの水槽が、嫌に目につきました
「どの机だっけ」
私は、友達の机がどれか分かりませんが、今日休んだのは恐らくその子だけなので、他の人の机は空だと思います
机の中に、ノートらしきものが入っているのが見えました
「なにこれ・・・」
その机は、友達の机ではないようで、ぐちゃぐちゃにカッターで切り裂かれ、水にぬらされ、マジックで死ねと書いてありました
「ねえ、これ・・・」
そう話しかけたところで気づきました。一緒に居た友達が居ないのです。私はそのノートを机の上に置くと、慌てて自分のクラスに行きました
しかし、そこにも友達は居ません。私は泣きそうになってもう一度隣のクラスに行くと、友達が居ました
「どこへ行っていたの?」
「え?ずっと居たけど?」
話がかみ合いませんが、友達とノートを探すと、机の中身があったのは、一つだけでした
先ほど、机の上に放置したノートの机がどれか分からない事に思い当たりました
もしかしたら、過去にいじめられていた子が居た場所に転移してしまったのでしょうか?
そう思って帰る時に、先生に挨拶をすると、友達が居ません
「先生、友達が居ないんですけど」
「え?あなたは最初から一人だったわよ?」
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