第102話 人を轢いた

警察に一本の電話があった




「人を轢いたみたいです」




警察官が現場にかけつけると、男性が軽四の隣で待機していました。男性は、警察官の方へ近づいてくると、車を指さしました




「見てください、車の下に人がいます」




一緒に来ていた救急隊は、慌てて車の下を確認しましたが、人の姿はありませんでした




警察官は、車の近くを探しましたが、人も、血痕もありません。男性が、覚せい剤を使っているのではないかと疑いかけたとき、近くを通りかかった軽四が急ブレーキをかけた




女性が慌てて降りてきて、車の下を確認する




「どうしましたか?」




警察官は、男性は同僚に任せ、女性に声をかけた




「人を轢いたような気がして・・・」




警察官は、近くに居ましたが、何かにぶつかったような音はしていませんでした。軽四の下を見るけど、男性と同様に何も見つかりませんでした




後日、近くの防犯カメラや、ドライブレコーダーを調べましたが、何も映っていませんでした




しかし、それから何度か「人を轢いたかもしれない」という連絡が入るので、詳しく付近を探すと、近くの茂みに、黒い猫の死体がある事に気が付きました




その黒い猫の死体を供養すると、それ以来「人を轢いた」という電話が無くなりました

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る