第101話 かくれんぼ

ここは人口600人の小さな島





今年は、梅雨が続き、記録的な数の台風もきていたため、本島に船を出す事もできずに食料不足になっていた





そこで、島民から選ばれた10名で「かくれんぼ」をすることになった





範囲は島唯一の公民館を中心に、半径2km圏内。境界線には白い線が引かれていて、ここを出るとその時点で負けだ





制限時間は無く、最後の一人になるまで続ける





建物内への侵入は禁止。各建物は住民が見張るので、入った時点で負けだ





鬼は、島一番の体力自慢の男性が行う





「よし、10時になったら開始だ、隠れろ!」





10人は、20歳以下の男女が選ばれた





「よし、一人目発見!」





かくれんぼなんてめんどくさいと思っていた16歳の青年が第一に見つかった





「よし、二人目発見!」





次に、隠れるのが下手な9歳の女の子が見つかった





「よし、三人目発見!」





うまく木に隠れたつもりになっていた12歳の男の子が、トイレに我慢できずに降りてきたところで見つかった





こうして次々と見つかっていき、最後は、うまく鬼を双眼鏡で見ながら逃げていた16歳の少女だけが残った





「これでかくれんぼは終了だ」





「なんでかくれんぼをしたの?」





勝ち残った少女は、何も知らされずに参加させられていた





「食料の調達の為さ。今日は久々の肉だぞ!」


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