第100話 夜間警備で

俺はデパートの警備員をやっている





と言っても、警備会社から来ているので、ここ専属というわけではない





なぜか、このデパートの警備員が長続きしないため、入れ替わりで担当することになった





先輩曰く、「ここは出るぞ!」





俺も「何が?」とは聞かない。事件も無いのに警備員がやめていくなんて、どうせ幽霊関係だろう





2人の持ち回りで、人が隠れそうなところを最初に重点的に回る





トイレ、棚の陰、更衣室などだ





「ここは、あまり来たくない」





先輩は、階段を指さした





「なんでですか?」





「すぐにわかる」





俺たちは手分けして巡回を終え、さっきの階段に差し掛かる





すると、さっきまで無かった落書きがある





「4?」





それを先輩に伝えると、「見つけてしまったか……。ちなみに、俺は1だ。明日には代わることになっている」





「どういうことですか?」





「4から始まって、0になったら何が起こるか分からん」





「冗談でしょう?」





「明日、3になっていれば分かるだろ」





「ビデオとか仕掛けます?」





「好きにしろ」





先輩はそう言うと、引き継ぎ書を書いていた





次の日、俺はデパートが閉まると、家から持ってきたビデオカメラを階段に仕掛けた





「もし、あれが先輩のいたずらだったら爆笑だな」





別に爆笑でもないけど、そう言って気を紛らわせた。俺にもわかる、あれが冗談で書けるものではないと言う事を。なぜなら、昨日の4の数字が消えていたからだ





「よろしく、後輩。引継ぎで何か聞いてるか?」





「よろしくお願いします、先輩。引継ぎでは、階段に気を付けろとだけ言われましたが、何のことですかね?」





「それなら、今日分かるはずだ」





俺は後輩に巡回ルートを教えながら、問題の階段に差し掛かる。今日はまだ数字は書かれていないようだ





「ここに、数字が書かれていたら気を付けろってさ」





「へー、そうなんですか」





その日の巡回を終え、階段を見てみるが数字は無かった。仕掛けたカメラを回収しようとしたら、カメラに3と書かれていた





「マジかよ……新品なのに」





まるで血で塗ったかのように、なかなか落ちなかった。これ、後輩のイタズラじゃないよな?





「先輩!階段に7って書いてありました!」





後輩がビビっている。あれ、俺より数字が多いな





次の日もカメラを仕掛けて階段を見ると、何も書かれていないが、巡回を終えてみると、数字が1になっていた





「3の次が1ってよくわからんな」





しかし、俺は交代する気はなかった。ここまできたら、是非とも何が起こるか確かめたかったからだ





「後輩、数字はあったか?」





「え?昨日のままで7でしたよ?いたずら書きなら消しておきましょうか?」





後輩の分まで俺の数字が減ったのか?不思議なものだな





次の日、俺は巡回をおえてかだいをんみた、gじゃじおえあ





おはれのわろたれうよだ

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