第99話 イジメ
ブチッ、ギシギシ、バキッ
「やめて!助けて!許して」
ギー、ブチ
「お願い!もう来ないから!」
ブチッ、ガシャーン
♦
来月建て直しが決まったマンションで肝試しをしようと言い出したのは誰だっただろうか
私たち4人は、同じ学校の同級生で、人に言えないような悪事を何度もしていた
その中でも、一番の悪事は、同級生へのイジメだった
教科書を隠すのは当たり前、靴は買いなおすごとにトイレの便器に入れてやったし、弁当に虫を入れてやったこともある
そいうは、最初は不登校になったけど、親や教師の説得に負けて学校に来ることになった
「イジメられた本人をまた学校に戻すなんて、ひどいよねー」
「まあ、私らもやめないけどね」
私たちは、痕が残らないようにイジメを続けた。洗面器に水を張って顔を押し込めたり、髪の毛を1本ずつ抜いたり、筆箱のボールペンを折ったり
そいつはとうとう、マンションの屋上から飛び降りて自殺した
後をつけていた私の仲間が、自殺の現場を見ている
「遺書、燃やしといたよ」
「お、グッジョブ!中身は読んだ?」
「いや、読んでないけど、イジメの事書かれてたらヤバイっしょ」
「だよね」
自殺自体には不審な所が無かった事と、直接的に目立つことはやっていなかったため、私たちは疑われることはあっても、罪に問われることは無かった
そして、数か月がたって噂も下火になったころ、私たちはそいつが自殺したマンションに肝試しに行くことになった
「へー、あいつ、こっから飛び降りたんだ?」
「その度胸があるなら、警察に言った方がよかったんじゃね?」
「まあ、うちらにはもう関係ねーけど」
「うける。あはは」
私たちは、こんなものかと思ってエレベーターに乗った
「エレベーター動いててよかったよね」
「だよね、5階も歩くなんて疲れるし」
すると、エレベーターの扉が閉まった瞬間、エレベーターが止まって電気が消えた
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