第84話 図書室で

私は図書委員をしている





今日は、夏休みも近いということで、放課後遅くまで整理をしていた





「うんしょ、埃っぽいなぁ。あてっ」





普段行かないような本棚に本を片付けていると、上から本が落ちてきた





「いたた。なにこれ」





「本は、まるで小学生が厚紙を切って作ったような本だ」





「だれ?!」





私が思ったことがそのまま変声機を通したような音声で聞こえた





「もしかして、変質者?」





「誰かいないかな」





「やめて!」





私は気持ち悪くなって本を投げ捨てると、音声は止まった





「もしかして、これが?」





私は素手で触らないように、定規でページをめくった





そこには、小学生が「僕の父親」と題名をつけそうな、肌色の大きな丸に黒く丸を書き、口に赤い線を描いただけのような絵が描いてあった





左のページには、「いうことをきくから、たたかないで」と書いてある





「これ、虐待されている子供が描いた絵?」





「だとしても、何でこんなところにあるんだろう?」





そう思って本を棚に戻そうとすると、担任の先生が来た





「なんだい?その本は」





「あっ、これはたまたま見つけたもので」





担任の先生が私から本を取り上げる





「なんだ、ただの絵か」「この女子生徒、やはりかわいいな」





「え?」





私は、担任を見つめる





「え?何も・・」「いつか襲いたい」





「先生!何を!」





私は、慌てて逃げる





しかし、図書室の出口は先生の後ろ側だ





そう思ったら、急に本棚が倒れて先生をつぶした





本棚の後ろに、男の子が見えた気がした

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