第61話 エミEND

ユキが目を覚ますと、トイレであったことを思い出したらしく、慌ててトイレから出ようと提案してきた




私たちはトイレから出ると、5年生の教室へ向かった




「ねえ、これからどうする?」




カスミが尋ねる




「私、もう怖い!帰りたい!」




ユキは我慢の限界が近いようで、取り乱している




「実は、音楽室のロッカーを見て来たんだ」




2人は、「えっ?」と固まった




「・・・何か、いた?」




カスミは恐る恐る尋ねる




「うん、ミイラの少女が入っていたよ。それが倒れて音がしたみたい」




ユキはそれを聞いて、ビクリと震える




「この話を知ってる?」




私は2人に1年前の話をした




昨年、この学校が廃校になると決まって、最後の片づけをしていた時だ




一人の女の子が、音楽室にピアニカを忘れたことに気づいた




旧校舎はもう閉まっていて、悪いとは思ったけれど、体育館の窓を割り、侵入した




4階・・の音楽室へ着くと、旧校舎へどこからか入り込んでいた変質者がいた




女の子は、変質者に乱暴をされたあと、殺されてロッカーへ入れられたらしい




その変質者は、逃げる途中に階段から落ちて死んだらしいけど




「それって・・・」




勘のいいカスミは気づいたようだ




「うん、私の事」




2人は、「明るくなったら必ず埋葬にしに来るよ」と言って帰っていった




「2人とも、めっちゃくちゃ怒られるだろうな」




私は、後日埋葬されるまで、思い出に浸っていた

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