第53話 意味が分かると・・・

私はタクシー運転手だった




短距離中心で、毎日数十人の客を駅から病院まで連れて行っている




いつもは年寄りばかりなのだが、最近若い人も乗せるようになった




平日なのに、学生とみられる少女を乗せた




彼女は「クシュン」と可愛くくしゃみをした




私に「ごめんなさい」とほほ笑むと、マスクをした




行先は保健所だった




それから1か月後、偶然、以前乗せたその少女を乗せた




「ごめんなさい、私、コロナだったみたいなんです」




「知ってますよ」


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