第43話 放課後の教室で

「ねぇ、知ってる?うちの学校のうわさ」




「え?なになに?どんな噂?」




「うちの学校で、放課後一人でいると、甘い匂いがする時があるんだって」




「それで?誰かの香水の話?」




「違う違う、その甘い匂いは、幽霊の匂いらしいよ」




「え?幽霊に匂いなんてあるの?」




「なんでも、その幽霊はこの学校の屋上で死んでて、夏休みの間誰も気づかなかったんだって」




「おえ、もしかしてその甘い匂いって、腐った匂いってこと?」




「そうそう、かすかに匂う死臭が、甘い匂いなんだって」




「え?じゃあ、もしかして、この匂いって・・・?」




「きゃーっ」




なーんてね、私は机の中の香水の瓶のふたを閉めた




その時、かすかに甘い匂いがした気がした

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