第84話 ダンジョン攻略15日目

目が覚めると、闇の壁が張ったままだった。時計を見ると、7時になっていた。




レ「弥生? 起きているか?」


ヤ「あ、源さん! おはようございます!」


レ「ああ、おはよう。アヌビスとイルナは?」


ア「起きてるのじゃ!」


イ「・・・寝てる。ぐー。」




イルナは冗談まで言えるようになったようだ。




レ「ワルキューレは?」




弥生はひょっこりと闇の壁の上からワルキューレを確認する。




ヤ「それが、まだ寝ているみたいです。」




寝なくても大丈夫と言っていたワルキューレが寝坊とか珍しいな。




レ「先に朝食を食べるか?」


ヤ「そうですね。そちらは狭いと思うので、こっちに来てください。」




俺達が朝食を注文すると、すぐにケルベロちゃんが来た。現在は転移ができないので、玄関を開けてやる。




ケ「おはようございます、ワン。あれ? ワルキューレはどちらですか、ワン?」


レ「それが、まだ起きてないんだ。」


ケ「そうですか、ワン。」




ケルベロちゃんはそう言うと、闇の壁を破壊して寝ているワルキューレに声をかける。




ケ「ワルキューレ? そろそろ起きないと降格・・。」


ワ「おはようございます!」




ワルキューレはガバリと起き上がった。




ケ「しっかりと護衛をするワン。」


ワ「分かりました!」




そう言うと、ケルベロちゃんは一旦戻っていった。




ヤ「大丈夫ですか?」


ワ「ああ、すまない。寝坊したようだな。ちょっとシャワーを浴びてくる。」




ワルキューレは寝ぼけているのか、鎧をここで脱ぎだした。




ヤ「ちょっと! 浴室はあっちです!」




弥生はワルキューレの腕をひっぱっていった。




ア「大分疲れておるようじゃの、もぐもぐ。」


イ「・・・目に、クマあった。もぐもぐ。」




アヌビスとイルナはウマウマと食事を続けている。


シャワーから戻ってきたワルキューレはすでに鎧姿だった。鎧自体は神装備なので、汚れないのだろう、洗濯の必要が無くていいな。そういえば、アヌビスの服も神装備だから洗った記憶が無いな。




ワルキューレはケルベロちゃんを呼ぶのが怖いのか、自分でパックの紅茶を作って飲んでいた。その間に、俺達はダンジョンに行く準備を終えた。2日ぶりにダンジョンへ来たが、様子は変わっていなかった。フロントに行くと、さっそくラヴィ様がワルキューレを手招きする。




ラ「さあ、ワルキューレ、行きましょう?」


ワ「・・・はい。」




ワルキューレは肩を落としてラヴィ様について行く。




ラ「そうそう、今日は私の分身を護衛に付けるわね。」




そう言うと、バニーガールのラヴィ様の分身を生み出して行った。




レ「ワルキューレも大変そうだな。」


ラ「これも仕事よ。」




具体的にワルキューレがどんなことをしているのかは知らないが、きっと聞いても教えてくれないだろう。ただ、体を壊さないようにしてもらいたい。




ラ「大丈夫よ、死んでも蘇生するから。」




心を読んだラヴィ様はそう言うが、死んでも逃げられない仕事ってブラック企業も真っ青のブラックさだな。俺はワルキューレに合掌しつつ、エレベーターに向かう。




ヤ「じゃあ、押しますね。」




弥生がエレベーターのボタンを押し、8階に着いたので探索を開始する。前回はほとんど探索できてないから、今日は探索中心だな。




さっそくお出ましのギガースをサクッと倒した。弥生は戦闘に対する恐怖が無さそうでよかった。エキドナも出てきたが、イルナが幻痛を使うだけで、「痛い、痛い!」と言って逃げて行った。戦う気が無いのか?


草原を抜けると、赤い山が見えてきた。




ヤ「あれ、モンスターです。」




ベヒーモス(動物):HP20000、MP4800、攻撃力1700、防御力500、素早さ600+180、魔力0、スキル:素早さ補正(中)




弥生は鑑定結果を教えてくれた。




レ「ほとんどギガースと変わらんな。」




むしろ、HP回復がないだけこっちのほうが弱いと思う。


ベヒーモスはこちらに気が付いたのか、さっそく突進してくる。思ったよりも早い!零に850ダメージ。




ヤ「大丈夫ですか? 源さん!」




弥生は手裏剣を正確にベヒーモスの目に当てる。クリティカル発生、ベヒーモスに3545ダメージ。




ア「我らもいくのじゃ! 闇の球!」




弥生の攻撃でふらついたベヒーモスにアヌビスの闇の球が横っ腹に当たる。ベヒーモスに2800ダメージ。それを見て、イルナは魔法の方が良いと思ったのか、ヒノトリを憑依させる。




イ「・・・白炎。」




真っ白な炎がベヒーモスを包む。ベヒーモスに1000ダメージ。ベヒーモスに継続ダメージ500ダメージ。イルナは憑依時間節約の為に憑依を解除する。




イ「・・・ダメージリンク。」




イルナは怒って突進してきたベヒーモスにダメージリンクを使う。イルナは突進をまともに受けて吹き飛ばされる。イルナに1590ダメージ。ベヒーモスに1590ダメージ。ベヒーモスに継続ダメージ500ダメージ。




ベヒーモスは火を消そうとするが、簡単には消えないようだ。




ア「もう一丁、闇の球!」




隙だらけのベヒーモスに、アヌビスが闇魔法で追撃する。ベヒーモスに2800ダメージ。ベヒーモスに継続ダメージ500ダメージ。




今度は目標をアヌビスにしたのか、アヌビスに突進してくる。アヌビスに0ダメージ。まさか、小さなアヌビスに突進を止められると思わなかったのか、ベヒーモスが動揺するのが分かる。白炎は丁度消えたようだ。




レ「いけ、攻撃特化型零ゾンビ!」




俺は動けないでいるベヒーモスにゾンビを10体噛みつかせる。ベヒーモスに500ダメージ×10。




ヤ「あと少しです! 変化!」




弥生はワーウルフに変化すると、ベヒーモスの鼻先を蹴る。ベヒーモスに770ダメージ。ベヒーモスはくっついているゾンビを先に倒そうと、でかい図体で転がると、ゾンビは全部潰されて消滅した。攻撃特化型零ゾンビに1700ダメージ×10。




ヤ「えいっ、投擲武器操作!」




弥生はベヒーモスに手裏剣を当てた。ベヒーモスに1350ダメージ。ベヒーモスはコアになった。




結構吹き飛ばされていたイルナが戻ってきた。ベヒーモスが居たあたりは、このダンジョンの端だったようで、これ以上先は無かった。一旦戻って真ん中に進む事にする。俺達はギガースやエキドナを倒しつつ、エレベーターまで戻ってきた。結構コアがたまったので、一旦戻ることにする。




源零:HP5013、MP4010、攻撃力610、防御力1200、素早さ900、魔力800、スキル:分裂、MP自動回復(小)、装備:スラタン(刀)・攻撃力250、スラコート・防御力200




形無弥生:HP3092、MP5030、攻撃力2000、防御力500、素早さ1500+1200、魔力700、スキル:変化、投擲術(9)、空間魔法(6)、透明化、装備:スラクナイ・攻撃力230、スラ手裏剣・攻撃力200、スラマフラー・防御力200、忍者服・防御力5


投擲術が(9)は投擲ダメージ1.9倍、素早さ1.8倍、飛距離1.7倍、クリティカルダメージ1.6倍加算、貫通属性付与、投擲武器操作、投擲武器に衝撃波付与、投擲速度増加、投擲武器の複製で、空間魔法(6)で空間圧縮を覚えた。




イルナ(人間):HP20000、MP4000、攻撃力10、防御力10、素早さ710、魔力1270、スキル:ネクロマンシー、呪術、装備:腕輪・防御力50、指輪・防御力50


増えたMPで武器の一新と、アヌビスの分裂体も作り直す。




アヌビス(分裂体):HP10000、MP9100、攻撃力300、防御力1000、素早さ1560、魔力2400、スキル:闇魔法(7)、MP自動回復(小)、魔法耐性(中)、鑑定、飛行、千里眼、転移魔法、装備:神杖・魔力3000、聖なる衣・防御力3000




復元したアヌビスは、17歳くらいの姿になり高校生くらいに見える。弥生が計ると、身長158cm、Dカップらしい。大分元の姿にもどってきたな。ステータスも元の5分の1となっていた。また、新たに鑑定魔法が増え、闇魔法も1あがった。武器、防具の性能も良くなった。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る