第18話 スライム
レ「というわけで、装備はこれくらいにして攻略を進めるか。じゃあユウ、スライム退治だ。」
俺はユウに命令を下すと、ユウはコクリと頷いた。
ユ「わかりました、微力ではありますが、身を粉にしてがんばります。」
ヤ「わぁ、しゃべれるんですね!ペプシみたいに動く人形かと思っていました。」
レ「ペプシは口を作らなかったからしゃべれなくてな。今回は前回を反省して、ほぼフルに近い知識を持たせた上で、性格も面もイケメンにイメージしておいた。」
ヤ「イケメン、イケメン!私もユウさんの援護をがんばります!」
ユ「弥生様、私の事はユウと呼び捨てにしていただいて構いません。そして、弥生様の身は、私が必ずお守りします。」
ユウは弥生の前に膝立で座ると、弥生の手の甲にキスをした。
ヤ「はわわっ、お、王子様・・。」
弥生は目をハートにし、顔を真っ赤にして照れていた。俺の存在感薄くなったな・・。そんなこんなで俺はマッピングをしながら進んでいた。弥生は張り切って、スカウターから戻した鑑定眼鏡で「そこに罠があります!気を付けてください!あ!あそこに落とし穴があります!」とか指さしていた。なぜか弥生が罠を見切っているな・・恋の力か?しばらくして昨日のファイアスライムと思われる個体に遭遇した。
ユ「弥生様、下がっていてください。ここは私が。」
ユウは背中の鞘から剣を抜くと、弥生を背に、ファイアスライムに立ちはだかった。ファイアスライムはさっそく火の玉を飛ばしてきたが、ユウはサッと避けて上段に構えた剣でスライムを斬った。ファイアスライムに55ダメージ。
ユ「お怪我はありませんか?さあ、ファイアスライムのコアをお納めください。」
ユウは弥生にコアを渡すと、さっと後ろを向いて廊下を進んでいった。いや、俺の事は無視か?
ヤ「ありがとうございます、ユウ様!」
弥生は弥生で目をハートにしたままユウの後姿を見つめている。そろそろ先に進もうぜ?
1時間ほど進んだ時だろうか、ファイアスライム数体と、大量のスライムを倒してきたが、この階は複数の種類のスライムが居るようだ。弥生にステータスを鑑定してもらう。
アイススライム(動物):HP45、MP55、攻撃力20、防御力25、素早さ7、魔力32、スキル:水魔法(4)
サンドスライム(鉱物):HP25、MP55、攻撃力20、防御力55、素早さ3、魔力8、スキル:土魔法(3)
ウッドスライム(植物):HP105、MP55、攻撃力25、防御力30、素早さ11、魔力12、スキル:木魔法(5)
どうでもいいけど、アイススライムなのに氷魔法じゃなくて水魔法なんだな。
アイススライムは俺達に10㎝くらいの水玉を飛ばし、ウッドスライムは地面から槍の様な木の根を生やして攻撃し、サンドスライムは落とし穴を作った。
ユ「私にお任せください!」
ユウはスライム達に向かって行くと、水玉を切り裂き、ユウに32ダメージ。木の根に刺され、ユウに12ダメージ、落とし穴に落ちた。ユウに8ダメージ。
ヤ「大丈夫ですか!私も攻撃します!」
弥生はスラクナイを構えると、アイススライムに攻撃した。アイススライムに45ダメージ。次いで、ウッドスライムとサンドスライムに手裏剣を投げた。ウッドスライムに39ダメージ。サンドスライムに7ダメージ。
ヤ「うぅ、HP高いし防御力も高いですぅ。」
ちなみに俺は遠距離攻撃の方法も無いため、スラタンを構えながらも戦闘には参加していない。ある程度は大丈夫だろうけど、死にたくないからな・・。
レ「ユウ、大丈夫か!」
ユ「油断しましたが、反撃します!」
ユウは落とし穴から出ると、剣を構えなおし、スライム達に向かって行った。ウッドスライムは自分たちの前に茨を有刺鉄線の様に張ってけん制し、サンドスライムはゴーレムを作り出した。サンドゴーレムではなくストーンゴーレムのようだ。ゴーレムは2mくらいの灰色のブロックみたいな感じで、目が一つだけだ。その目がユウをとらえ、大振りで殴ってくる。
ユ「その程度の攻撃は当たりませんよ!」
ユウは腕を回避し、その腕を斬りつけると、そのままの勢いで茨も切り裂いた。魔法で出来たゴーレムには欠損ダメージがあるのか、腕が切り裂かれて落ちた。茨はダメージのせいか、光の粒になって消えていく。
ユ「これで止めです。」
ユウは両スライムに一太刀ずつ与える。ウッドスライムに50ダメージ。サンドスライムに25ダメージ。サンドスライムが倒されると、ゴーレムも消えた。
ヤ「ウッドスライムはまだ倒し切れていません!えいっ!」
弥生は最後の手裏剣をウッドスライムに投げた。ウッドスライムに39ダメージ。
ユ「ありがとうございます。私もまだまだ未熟ですね。では、このコア達もお納めください。」
未熟も何も生まれたばっかりだろ。まあ、戦闘に参加していない俺がとやかく言うつもりはない。
レ「コアを使ってスライムを復元する事も可能だけど、どうする?」
ヤ「そうですね、邪魔にならないなら作っておいたほうがいいと思います。」
俺は弥生から4種類のスライムコアを受け取ると、復元させた。今思うと、復元したモンスターにコアを集めさせて、それをまた復元すれば俺はダンジョンに入らなくて済むんじゃないか?と思ったが、口に出すとドン引きされる上にまたメィルが「ずるはだめです!」とか言って現れそうだから言わないことにした。
レ「そろそろ昼になりそうだけど、どうする?」
ヤ「そうですねぇ。まだ余裕はありますけど、無理をするといけない気がするのでお昼を食べに帰りましょう!」
ユ「弥生様の仰せのままに!」
レ「いや、お前は俺の分裂体なんだから俺に従ってくれよ!」
ヤ「まぁまぁ、そんなこと言ってると置いていきますよ?」
弥生はそう言うと、ダッシュで階段の方へ向かう。ユウもそれに追従し、俺は一番素早さが遅いために本当に置いて行かれそうになった。弥生達は待っていてくれたのか、なんとか追い付いた。
レ「やっと追い付いた・・。待っててくれてサンキューな。」
ヤ「いえ、新たな敵が・・。今のところ攻撃はしてきませんが、どうしましょう・・。」
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