からおけ
「カラオケなんて久しぶりだな」
「普段はあまり来る機会無いからね」
他学年よりも二時間ほど早く試験が終了した私たち三年生組は、試験の打ち上げも兼ねて暇つぶしに学校近くにあるカラオケボックスにやってきました。
「私はこういうところはあまり慣れていないから誰か先陣を切ってもらえるかしら?」
私はそう言いつつも海をまじまじと見つめました。
「海君、ご指名だよ!」
「仕方ないなぁ!」
私同様に海もこのような場所には慣れていないと思って嫌がらせのつもりで指名したのですが、海はムカつくくらいに嬉しそうにそう言って、リモコンを操作しました。
「行くぜ、行くぜ、行くぜぇいっと!」
歌が始まると、美沙が誰かの名前を狂気的に叫びだし、音楽に合わせながら何故変身できるようになったのかを懇切丁寧に説明しだしました。
「っんぁ……」
美沙のインパクトをすっかり忘れてしまうくらい繊細で精密な海の歌声を聴いて、悔しいですが私は拍手をしてしまいました。
生徒会議事録
海先輩たち、今日はやけに声がガサガサだったような? 七海
日頃の激務で身体が悲鳴を上げているのかもしれないので、ゆっくり休んでください。 笑舞
二人とも、心配してくれてありがとう。 美沙
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