7月
さいきょうのかていきょうしたち
「笑舞さん、これって大丈夫?」
「バレたら捕まったりしないよね?」
颯さんとナナは自分たちの身に起きている出来事があまりに現実離れしすぎていて混乱しているようでした。
「心配には及ばないよ。七海くんも颯くんもボクたちに勉強を教わっているだけに過ぎないのだから」
「教えていると言ってもサブリミナル効果を用いて私たちの知識を送り込んでいるだけなのだけれど」
「採点が終わったよ。隠す必要はないと思うから伝えてしまうけれど、今日行った試験に関しては全員満点」
「笑舞、本当に大丈夫?」
「問題無いと言いたいけれど……姉さま、大丈夫なのですね?」
「笑舞ちゃんもナナちゃんも何を不安になっているの? ワタシと千景、為奈の三人が一緒になって教えたのだから満点以外を取る方があり得ないでしょう?」
姉さまの言葉に千景先輩と為奈先輩も首を縦に振って同意していました。
「あの、風和先輩」
何か質問があったのか、颯さんが姉さまの名前を呼ぶと姉さまは少なくとも家では見たことがないほどの俊敏さで颯さんに近づきました。
「颯ちゃん、聞きたいことは分かるけど、ここでは駄目。笑舞ちゃん、少し大好きな颯ちゃん借りるね」
「ね、姉さま!?」
姉さまはワタシの返答を聞かずに颯さんを連れて部屋を出て行ってしまいました。
「じゃあ、ボクは笑舞くんの時間を頂くとしようかな」
「なら、七海さん……コホン、私と少しお話ししましょうか」
姉さまが動いたことで千景先輩も為奈先輩も瞳の色を変えてワタシたちそれぞれと二人きりになりました。
笑舞 「姉さまが何か変なことしませんでした?」
颯 「大丈夫。少し真面目な話をしただけ」
笑舞 「真面目な話ですか?」
颯 「今はまだ言えないけど」
颯 「いつか絶対に話すから」
笑舞 「わかりました。その日を楽しみにしています」
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