ふたりをみつめて

「いいなぁ」

 お昼休みの学生食堂でナナは楽しそうにお弁当を食べている笑舞と颯くんを見つめながらそう呟きました。

「わたしと一緒に居る時にそんな顔をしないで欲しいな」

「わわっ!?」

 一緒にお昼ご飯を食べていた梨々花ちゃんはナナの口にエビフライを押し込めながらそう言いました。

「笑舞ちゃんに恋人が出来て焦る気持ちもわからなくはないけどさ、ナナと笑舞ちゃんでは状況が違うでしょ?」

「な、何のことかなぁ~?」

「とぼけても無駄。分かっているからね。ナナが生徒会長のこと好きなこと」

「や、やっぱり?」

 何となくではありましたが、梨々花ちゃんにはすべて見抜かれてしまっているような気がしました。

「梨々花ちゃんはどうすれば良いと思う?」

「どうすれば生徒会長に好きになってもらえるかって話? それ、わたしに聞いちゃうの?」

「だってこんなこと他の人には相談できないよ」

「そ、そう? そこまで言われたら流石の梨々花さんも考えてあげないわけにはいかないなぁ」

 梨々花ちゃんは嬉しそうにそう言うとナナの頭をいつも以上に撫でまわしてきました。

「ようし、可愛い可愛い七海のために梨々花さんが一肌脱いで差し上げよう!」

「はぅっ!? はひはほう、ひひはひゃん」

 ナナの口に再びエビフライを押し込めてきた梨々花ちゃんにナナはお礼を言いました。



生徒会議事録

 ナナ、今日は随分とオシャレさんだな。 芹沢

 それ、セクハラになるわよ。 明日香

 海先輩に褒めてもらえて嬉しいです! ありがとうございます。 ナナ

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