手紙

あなたを愛しています。だからこそ、私はあなたを遠ざけます。


あなたは私を「私」として見てくれた唯一の人。まっすぐに私の目を見つめてくれた人。私を愛してくれた人。でも、何も知らない人。


あなたは私に「隣にいてほしい」と言ってくれました。涙が出るほど嬉しかった。私もそうしたいと思っていたから。


でもダメなのです。私とあなたは、住む世界が違うから。


私はこの屋敷から出ることができません。この屋敷には私が必要だから。


私のあなたへの恋慕の気持ちを知ったら、きっと屋敷は許さない。私のことも、あなたのことも。


私は屋敷のためにあるものだから。屋敷のために生きて死ぬものだから。


だから、さようなら。

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