【第五回白雪賞企画:第21話まで読み進めた上でのレビューです】
就職活動と聞いて、ほとんどの人がいい意味でも悪い意味でも思い出深いのではないだろうか。本作品のメインテーマでもある「就活」。
就活を経験した人なら、本作品は間違いなく刺さると思います。
逆にない人なら、これから見てほしいです。
確実に勉強になりますし、新しい発見も得られます。
物語は、とあるギャルの後輩、見山が就活してないからマズイよねという所から始まるんですが、就活についての師匠的存在である山岡先輩がまたいい味を出している。なにより例え話がとても上手いのでイメージしやすいです。
純粋に「なるほどなぁ……」と、納得する部分も多いでしょう。
会話のテンポと目的もブレることなく進んでいく為、レベルアップしていくのが物語を通してわかってくるのでとても面白い作品だと感じました!
『就活』というテーマでありながら、読む手が止まらなかった!
それはこのテーマを主軸にしていながらも、いかに読みやすくして、読み手に物語としての面白さを感じてもらうかをしっかり考えている作品だということが分かる。
主人公はタイトルにもあるギャル=後輩という印象が強かった。
彼女は全くの就活初心者であるため最初はなにもかも知らないので、就活を知らない中高大生にも物語に入りやすい。経験してきた社会人の読み手には、微笑ましく映るので好意的なスタートを切れていると思う。
そしてこのギャル=後輩が、あらすじの語り手である先輩の教えによって行動を始めていくのだが、このギャルが行動力があっていい子なので話の展開もすいすい進んでいくし、感情豊かなので、それが見られる先輩後輩の会話は見ていて面白い。
この2人ではない別の人も登場するが、彼らはもの語りの中核にいる2人の掘り下げをする役割のため、本筋がブレず、テンポ速さの維持を上手いこと行っていると思う。
そしてこの本は就活をテーマにしているだけあって、就活をしっかりとしている。これがメインテーマであり、ギャルと一緒に「就活って何するの?」を学びながら読める点が素晴らしい。
私としては、ぜひ今後就活生になる皆さんにも、就活のイメージをつけてもらう作品として見ていただきたい1作。これを1回読むのと読まないのとでは、最初の行動に違いが生まれそう。
私が毎週やっている企画の中でもユニークで魅力的。小説としての魅力もあり、若者にとっては実用的な面もあるこの作品を、若者、ベテラン問わず、一読してもらいたい。