第22話-君が描く未来

**


「オレのこと好き?」


そう口から溢れ出た言葉は自分が思うよりも遥かに重く響いた。


オレのこと、

オレたちのこと、誠はどう思ってる?


日頃から感じていた思い。それは誠がオレたちに一線引いているから不安に思うのか、


興味本位で聞いたものだったのか、


残念ながら後者は否である。




だってオレは変わったから…誠と出会って、全てが変わった。


色が無い世界に色が付いたのは紛れもなく、誠のお陰だと言ってもおかしくない。


息がしずらい家

白黒な世界

オレを見てくれない家族

死んでいく心


居場所だと言える場所は…なかった



誠とオレが知り合ったのは、グループ結成して。何年か経ってから。


だと、誠はそう思っているのだろう。


でも実際はもっと前。


誠がSNSで歌みたを上げる前から、一方的に誠の存在を知っていた。だってオレ、誠の元リスナーだからね



まぁ。その話は置いといて、



「オレ、誠と一緒に住みたい。だってさー、せっかくの高校生活じゃん


最後なのにさぁ、自由な時間なんて」


『最後って…、何言ってんの。卒業しても一緒に活動するんだしさ。自由な時間なんて、』




たくさんあるだろ?


と、当たり前な顔して誠は言い切った。


疑う事なく、みんなで歩く未来を信じてくれる。誰かを陥れよう、とか


優位な立場に立とう、なんて欲がないのか。


誠の言葉はまっすぐで温かい。





でもね。誠。


「じゃー、誠の家に泊まりたぁい!!」


誠が描くその未来の中に、オレはきっと


『はいはい。いつかきっと多分家に呼ぶよ、その内ね』


「ちょっ、それ呼ぶ気ある!?ねぇ!」





きっと、居ないと思うんだ。





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