第4話-これが日常

『大賀おはよ、うん。早く目が覚めて』


「はぁ…連絡ないから、りとと佳名斗が心配してた」


『えっ、嘘、待っててくれてた!?ごめんケータイ放置してて、』




騒がしかった教室はいつの間にか静かになっていて、遠目からチラチラとオレらを見ているクラスメートたち。これじゃ、盗み聞きしてます間が嫌でも伝わってくるんだけど。


敢えてのスルー。


気にしていたらキリがないし、ネットアイドルをしている以上、見られている。と意識しておくのは大切。因みにファンサービスが得意なのは、メンバー内だと佳名斗かな。


りとは低血圧で朝はファンサどころじゃないだろうし。大賀は素を通してるから、無愛想。


「早く出るときはライ◯くれ」


『うん、ありがと…って、さっき舌出したの何?』


「うるさいばーか」


乱雑にオレの髪を撫でて、慣れた足取りでオレの後ろの席へと腰を下ろす大賀。


後ろから二番目の窓側がオレの席

一番後ろの窓側、つまりオレの後ろは大賀の席。



「そう言えば今日配信少し時間ずらすってさ」


『りょうかーい』


振り返る事なく、オッケーと指で丸を作り教科書の準備を始め、


時間が数分経った頃、担任の教師が教室に入ってきて朝のHRが始まった。






そう、これがでの日常。


メンバーに恵まれ、環境に恵まれた人生。


じゃあ、もう一度問おうか。



君はわざわざ自身の弱点を他人に晒す事が出来るのか、と。オレの病気、というか体質は少しばかり異質であり異常。


サイトが主流なご時世、自分の欠点は足を引っ張るだけに過ぎない。だからこそ、だれにも打ち明けられない秘密がオレにはあった。








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