第112話 会社行かなきゃ!

 雀の囀りが聴こえる。


 夜明け前にいつも戻るのがもう早朝の営みが始まっている。


 平穏な朝〜。


 いや!不味い!何時だ!

 7時か〜、ギリギリ支度が出来る。


 急げ急げ。


 〜○〜

 朝の出勤の準備に要する時間は15分。

 電車までの時間から逆算して15分あれば間に合う。

 駅まで玄関から3分なので7時に準備始めれれば30分の電車に飛び乗れる。

 〜○〜


 駅の駐輪場のフェンスに大鴉。


「ちるな、おはよう!」


 マスクしてるから挨拶しているのは誰にも気づかれない。


 駅の改札に入ると大鴉も飛び立つ。


 電車の中、ドアの付近は学生で満杯。

 その中で押し合いへし合いしてぶつぶつ言ってる。


 僕は電車の中ほどまで動物の様な学生を押し分けて移動する。

 中ほどには優雅に本を読んだり、静かに佇む、人間らしい学生や大人が立つ。

 賢明な人たちだ。

 #そもそも都市圏でも無いのでドア付近も真ん中も降りる時間の所要時間は大差ない。


 通勤時間は電車と高速バス乗り継いで掛っても1時間内となる。


 〜○〜

 チルナノーグ島での出来事を整理するには最適な時間。

 一番の心配はみんなの安全。


 今現在彼らはチルナノーグ島で戦っている。


 敷島のおっさんに小豆公望も付いてくれているからメンバーとしては状況判断に柔軟に対応出来る筈。

 #不測の事態が起きなければいいけど…。


 獣人インスマウス人は様々な獣人の種族で能力と力量も大きく違った。

 サイは重量突進。

 ヒョウは俊敏力と鋭い爪。

 厄介なのはネズミ。

 小型版のヒョウが大群で押し寄せてくる。


 その数1万に加えてどんどん増殖している。


 各種族には数倍パワーUPした強靭な個体が居り知性も高く厄介。


 そしてハイドラ。

 こいつの体液がインスマウス人化する菌の元となっている。


 こいつを絶たなきゃ終わらない。

 #元から絶たなきゃダメ!


 最終目標はハイドラとインスマウス人の排除撃退の先にある。

『なにわ』の解放。

 〜○〜


 そうこう考えていると会社の最寄りバス停に着く。


 会社ビルに入り自席に座るまでにチルナノーグ島の事は一旦頭の倉庫に格納する。


 業務に集中して残業とならない様にして早くチルナノーグ島に舞い戻るために!

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