第111話 戦場風景。
進軍が開始される。
敷島隊長の第一段階の到達目標は、1時間以内に戦局が想定の域で進む事を見極める事。
「ドライ小隊とフィーア小隊を真ん中にアインス小隊はその左翼、ツヴァイ小隊は右翼の位置で小隊間隔は50メータで鶴翼陣形で真田丸左翼から1キロ折り返しで蛇行進撃」
「ヒュンフ小隊は本体後方1キロで残存駆逐」
「進撃開始!」
ドライ小隊とフィーア小隊が前方に集中砲火を浴びせる。
アインス小隊とツヴァイ小隊が扇状に拡散砲火を浴びせる。
この連携で獣人インスマウス人で埋め尽くされる戦場をドリルで掘削する様に掃討しながら進軍する。
各小隊、各ゴーレムの隊列を一糸乱れぬ様に統制する各小隊のラストバタリアン将校の手腕は人間離れしている。
その1キロ後方に追従するヒュンフ小隊は疎らに生える雑草を刈り取るが如く精密射撃を行いながら敵の残存の脅威を確実に消す。
ハイドラの真後ろまで掘削機の様に殲滅してしまう。
所要時間40分経過。
敷島隊長はヒュンフ小隊のダイヤゴーレムに搭乗して戦況を投影モニターで掌握しながら指揮を行う。
その後方に斎藤隊員が白峰相模ゴーレムと鞍馬ゴーレムを伴ない警護するエミリア一行が追従している。
一行にはオカルト特務機関ヴリルを統括する“マリア・オルシック”も同行している。
更にもう一人居る。
異常にテンションの高い老人。
彼は戦場を嬉々として走り回ってサンプルを採取している。
科学研究所筆頭:ニュートン・ニューヨーク教授だ。
#エミリアのお仲間は個性豊かである。
ヒュンフ小隊の横に随行する形でハクア指揮下の救護隊も展開している。
天狗八仙ゴーレムの相模大山ゴーレムと彦山ゴーレムが瓦礫を取り除き生存者を見つける。
救出を行うのは妖怪の里の飯炊き方の面々となる。
指揮者の座敷童を筆頭に網剪、雨女、雨降小僧、糸引き娘、小豆とぎ、白粉婆、児啼婆、
小坊主、牛蒡種、米つきわらしが懸命に救出作業を行う。
#生存者は主に獣人が多いが地下シェルタに逃げずに二階以上の建物に取り残され瓦礫建物の上階に退避していた者が多い。
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