第99話 白鴉(ハクア)の親衛隊。
「出でよ、
我と悠久を歩む時空の織姫よ!ちるなおいで」
それともう一人。
「出でよ、白き天狗の姫君
我を守護する妖姫よ!」
僕の左手にちるな、右手にはハクアと二人の信厚き仲間が現れ出いでる。
「ちるなこの場を収拾して撤収するよ」
「ハクア手伝って」
「御意」
「はいお方様」
エインセルもハクアが呼ぶ天狗を異空間転移するように準備を整える。
いやもう彼らは来ている。
フランス人形の姿のエインセルがセルロイドの無表情のままで手をぐるぐると回し始める。
その小さな手の先に蒼い渦が現れる。
その渦が徐々に大きくなろうとするや否いや蒼い渦の内側から大きな腕が突き出し渦を強引に拡げる。
天狗八仙の一人の剛力無双の
渦の外の戦場の圧を感じ取り必死で外に出でようと渾身を振り絞り抉じ開ける。
「姫〜!直ぐに参りまする」
渦の中から豪圧の声が響き渡る。
蒼い渦から前鬼坊の竜巻が吹き出す。
瓦礫を巻き上げ視界が曇る。
<パラパラ>と瓦礫の塵が地に落ち視界が薄っすらと晴れてくる。
そこに天狗八仙が立ち並んで居た。
天狗八仙の長の
直ぐに尊きお方様とハクア姫を守護せよ!
押し寄せてくるインスマウス獣人の勢いは全く衰えていない。
その数1万を更に増殖させ益々の増長。
小太郎の周りはギヒノム卿のオルゴールの戦士でポツンと真田丸砦の様に全面を睨む楔くさび結界と成っている。
その真田丸の後ろに僕らは居る。
ハイドラに蹂躙され沈黙の瓦礫の街と化した港湾都市『なにわ』が獰猛な兵士に溢れかえる戦場に様変わりしている。
天狗八仙は僕の右手側に立つハクアに合わせて真田丸の右後ろに着陣した。
周辺に溢れる蜥蜴トカゲの様なインスマウス獣人を愛宕天狗の獄炎扇で焼き尽くす。
新手が入ってこない様に彦山天狗の重力の神通力と相模天狗の念動力で瓦礫を堆く石垣の様に積み上げてバリケードを築く。
右サイドは天狗八仙の着陣で砦化して一時的に沈静化。
左サイドはちるな側となるが…。
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