第60話 さ!行こう〜。

 そして大事なのは学習した知識を詳細にイメージする事。

 電車の中ざっと必要と思われる事を抜粋し読みながら帰る。

 世界の陸上部隊装備品大図鑑・日本城塞縄張り図鑑とが最適だろう。


 シャングリ・ラに攻め込まれた時に鉄壁の防御が必要だ。

 シャングリ・ラへの陸路のルートは劔山脈の地下回廊を通る一本道。

 問題は空だ!

 空挺で襲撃されて今回の演習はシャングリ・ラ高原の湖まで攻め込まれた。


 陸路はシャングリ・ラに通じる地下回廊の入り口の前衛に城塞を築く。

 地下回廊内も迷宮化しているがより確実に罠も張り巡らせる必要がある。


 空はシャングリ・ラを取囲む劔山脈に防空の施設が必要。

 降下してくる空挺部隊への対策も必要。


 構想するとワクワクしてくるね。

 早く眠りたい!


 最寄駅から歩く事3分圏内の途中で黒猫のくつ下ちゃんが待っている。

 デイパックから猫の餌を一袋出してご馳走する。

 食事は20時以降は摂らないから風呂入って寝る準備。

 今夜の題目を頭で構想しながら睡魔を待つ。

 夢世界からの引き合いが強い時は耳鳴りが強く現れる。

 今夜はかなり強い。

 いい感じ。

 一時はこの耳鳴りの先に行くことがもう戻れない世界に行く事になるのではと恐れて途中で耳鳴りを中断させていた。

 やりようが分かれば怖くは無い。

 多分ずっと前からこのやり方とその先の世界は知っていた様に思う。


 身を任せる。

 身を任せる。

 瞑想では無く強い意志を持って目を瞑ったままであるモノを凝視する。

 さすれば白い取手の扉は現れる。

 誘う空気がもう扉のお隙間から漏れ出ている。

 危険は感じない。


 さ!行こう!

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